AI Weekを振り返って:オブザーバビリティとAIが融合する「問題解決の未来」

AI Weekを振り返って:オブザーバビリティとAIが融合する「問題解決の未来」

2026-07-301 min
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AI Weekを私たちと一緒に盛り上げていただき、本当にありがとうございました。LinkedInやRedditなどのソーシャルメディアでみなさんからいただいた非常に熱い反響や鋭い質問の数々に、AIチーム一同、大変ありがたく思いながら回答させていただきました。

特に印象的だったコメントをいくつかご紹介します。

「Grafanaの最新の発表は、単なる『AI機能の追加』に留まらない。これはオブザーバビリティプラットフォームそのもののあり方が、根本からシフトしつつあるシグナルだ。」

「MCPサーバーとClaudeを使って、これまで手書きで泥臭く運用していた数十個のダッシュボードの移行・アップデート・検証を一気にやらせてみた。驚くほど完璧に動作し、わずか30分で全体の95%の作業が終わってしまった。

新しい時代の鼓動

AI Weekというイベント自体はこれで幕を閉じますが、私たちのストーリーはここで終わりではありません。みなさんと同じように、私たちも今、「AIとオブザーバビリティが手を取り合って、いかにして目の前の複雑な問題を迅速に解決するか」という歴史的な大転換期の真っ只中にいます。

この変革は、ユーザーであるみなさんのフィードバックなしには成し遂げられません。ぜひ、新しくなったツールをみなさんのチームで実際に動かしてみて、何が本当に役に立ち、どこをさらに改善していくべきかを教えてください。私たちは、多くのエンジニアがこの目まぐるしい変化のスピードに「置いていかれるのではないか」という漠然とした不安を感じていることを知っています。だからこそ、不要なノイズを極限まで削ぎ落とし、みなさんが「AI主導の運用」という新時代の最先端にしっかりと追いつき、それを乗りこなせるようサポートすることをミッションに掲げています。

AI Weekの締めくくりとして、私たちがこれまでに歩んできた道のりを振り返りつつ、Grafana LabsのAIツール、そしてソフトウェア開発・運用業界の未来がどこへ向かっているのかを紐解いてみましょう。

私たちの歩み

Grafana Labsは、常にオブザーバビリティの最前線でイノベーションを起こし、現場のエンジニアが直面するリアルな課題を解決することにこだわり続けてきました。しかし、LLMの波が押し寄せた当初、私たちは少し冷ややかな目で見ていました。正直に白状すれば、最初はかなり懐疑的だったのです。というのも、2024年頃には、無理やりAIを詰め込んだだけで実用性のない「AIのためのAI機能」が世にあふれかえっていたからです。ユースケースとしては理解できても、実際のタスクをまともに実行できるレベルのツールはほとんど存在しませんでした。

私たちの見方が一変したのは、LLMが「自律的にループを実行する」ようになった時、すなわち「エージェント」が誕生した瞬間です。

現在、AIエージェントがソフトウェア開発のあり方を劇的に変えたことに疑いの余地はありません。ClaudeやCodex、Copilotなどを駆使して、圧倒的な開発スピードを手に入れたエンジニアの姿は珍しくなくなりました。中には、あるエージェントがコードを考えて生成している間に、別のプロジェクトのプロンプトを書いて同時に進めるといった、マルチタスクを極限まで効率化させている猛者もいます。

しかし、開発のスピードが劇的に向上するということは、変更の頻度が上がり、運用におけるトラブルの火種もそれだけ増えるということを意味します。アラートや複雑性に対応するエンジニアの運用上の負担は、かつてないほど膨れ上がっています。だからこそ、Grafana Labsは、みなさんとみなさんのチームがこの新しい世界に適応し、主導権を握り続けられるよう支援する責任があると考えています。

この1年でGrafana LabsのAIチームは大幅に拡大しましたが、私たちの信念は揺らぎません。AIスロップや、ただ目新しいだけの機能は絶対にリリースしないということです。みなさんからの良かった点、悪かった点のリアルなフィードバックこそが、私たちが正しい課題解決に向かっているかを確かめるための唯一の道標です。

AI Week発表内容の総括

今週発表された数々の革新的な機能をもう一度おさらいしましょう。

一般提供されている機能(Generally Available):

  • Workspace 画面全体を広く使って、Grafana Assistantと集中して対話できる「エージェント・ネイティブ」な専用ホーム。
  • gcx CLI と Cloud MCPサーバー 人間だけでなく、CursorやClaude CodeなどのAIエージェントに対しても、Grafanaのリソースやデータへ構造化されたアクセスを提供するブリッジツール。
  • Assistant Investigations アラートが発報した際やインシデント発生時に、AIが自律的にメトリクスやログを掘り下げて仮説検証を行い、根本原因を特定する調査機能。
  • Automations 毎日のエラー要約やリリースの健全性チェックなど、登録したプロンプトをスケジュールに基づいて自動実行する機能。
  • Agent Observability 自社が本番環境で運用するAIエージェントの挙動をテレメトリ収集によって可視化し、応答品質の自動スコアリングやハルシネーションやAPI漏洩によるポリシー違反をリアルタイムに検知・ブロックする機能。
  • AI SDK(オープンソース) Grafanaの強力なデータ基盤の上で、独自のAIエージェントやAIアプリケーションを構築するための開発キット。

プレビュー公開され、今すぐ試せる機能:

  • Assistant Watchers 従来の静的なアラートルールでは書けない「いつもの正常な挙動と違う」という定性的な異常を常時監視する、AIの「監視の目」。
  • Assistant Search Grafana内のあらゆるダッシュボードやクエリ、ドキュメントを自然言語で深く検索できる機能。
  • Assistant on mobile Grafana Mobileアプリのアップグレードにより、外出先でもポケットからAssistantを呼び出せる機能。
  • Assistant on desktop(プライベートプレビュー): ローカル環境のコードやファイル、ツールに直接安全にアクセスできるデスクトップ版Assistant。
  • Assistant in Microsoft Teams(プライベートプレビュー):Teamsの共有チャンネル内でAssistantを利用できる機能。
  • Assistant powered by OpenAI(プライベートプレビュー): 基盤モデルとしてOpenAIの各種モデルを選択してAssistantを動かせるオプション。
  • Agentic Testing 自然言語でテスト手順を記述するだけで、AIエージェントが実際のWebサイト(UI)を自律的に操作・クリックして画面崩れやデグレをテストする機能。

数々の大きな発表と並行して、開発チームはこれらの機能の背景にある「設計思想やアプローチ」についても詳しく紹介しています。

これらはすべて、Grafana公式ブログでご覧いただけます。

また、私たちはこれらの先進的なAI機能が「実際にどのように作られているか」という舞台裏も明らかにしました。人間とエージェントの双方に向けて設計された新しいCLIツール「gcx」の開発秘話や、「Assistant Search」の深層検索技術、そしてGrafana LabsにおけるAI開発プロセスなどを公開しています。これらは、当社の新しいエンジニアリングブログ『Unprompted』で読むことができます。

今後の展開

私たちはこれからどこへ向かうのでしょうか? テクノロジーの進化スピードは、楽しみであると同時に、時に恐ろしくもあります。しかし、私たちはすでに、AIに対して重要で自律的なタスクを安心して任せられるワークフローを確実に見出し始めています。

Grafana Labs では、AI が日々の運用に伴う負担を取り除き、エンジニアが次に取り組むべきことへ集中できる未来を目指しています。テレメトリから得られるインサイトが組織全体で広く利用できるようになるにつれて、よりデータに基づいた依頼や、より深く示唆に富んだ議論が増え、最終的にはより良い意思決定につながっていくと考えています。

自動改善ループを活用すれば、テレメトリ(インフラのメトリクスからビジネスデータまで、さまざまなデータが対象になり得ます)に基づいてコードを最適化し、A/B テストを実施して、最も効果の高い組み合わせを展開できます。また、ユーザーから寄せられたバグ報告についても、人が確認する前に事前調査を行うことで、サポート対応に必要な情報を充実させ、問題解決までの時間を短縮できます。さらに、自動化されたエージェントは、日常的な保守作業を担ったり、適切なタイミングで適切な場所に届けられるインテリジェントなレポートを生成したりすることもできます。こうした大きな変化に適応するのは大変なことですが、私たちは一歩一歩、みなさんと並走しながらともに歩んでいきます。AI Weekを閲覧いただき、本当にありがとうございました。今年の10月にサンフランシスコで開催される「ObservabilityCON 2026」にて、さらに進化したGrafana LabsのAIの未来をお見せできることを楽しみにしています!

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