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フィンテック企業事例:Grafana CloudとGrafana IRMでインシデントレスポンスコストを38%削減
イベント: ObservabilityCON on the Road Jakarta 2026
開催日: 2026年9月15日
注記: 本記事はイベントセッションの内容をもとにしています。オリジナルページはこちら
企業名: Pintu
業種: 金融サービス(暗号資産)
インドネシアで上位3位に入る暗号資産取引所Pintuは、24時間365日のトレーディング業務を運営しており、障害が発生すると即座に収益とユーザーの信頼に影響を及ぼします。2024年、Pintuはレガシーのインシデントレスポンスベンダーから112名のユーザーをGrafana IRMへ移行し、8つのセルフマネージドGrafanaインスタンスを1つのGrafana Cloudアカウントに統合しました。そして移行中に大きなインシデントを発生させることなく、インシデントレスポンスコストを約38%削減しました。
課題
Pintuは4年間にわたって同じオブザーバビリティ(可観測性)とインシデントレスポンスの環境を運用しており、3つのベンダーに分散していました。2024年になり、チームはスタックを見直し、統合の時期かどうかを検討し始めました。「動機は主にツールの統合とコスト削減でした」と、移行を主導したYusuf Hari Putera Perkasa氏は語っています。
ベンダー選定の問題の背後には、運用上の課題もありました。Pintuは8つの独立したセルフマネージドGrafanaインスタンスを稼働させており、それぞれに独自のユーザーアクセス管理、パッチ適用、アップグレード作業が必要でした。「正直、本当に疲弊していました」とPerkasa氏は振り返ります。
解決策
チームはGrafana IRMの概念実証(PoC)に5週間を設け、「本番環境を再現するのは難しい」という判断から、ステージング環境ではなく本番環境で直接実施。「66名のユーザーを対象に、調査、サンドボックス、ライブパイロット、チームトレーニング、最終レビューというフェーズで進めました。POCで要件を満たすことを確認した後、Pintuは4か月かけて全ユーザーを移行しました。移行はチームごとのリスクに応じて段階的に進め、リスクの低いチームから始め、中程度のチーム、最後に最もリスクの高いチームへと対象を広げました。運用チーム、財務チーム、経営幹部向けのエスカレーション経路は、この最終段階で移行しました。
移行期間中は、不測の事態に備えて従来のサービスも稼働させ続けました。一方、従来のツールをオンコールの当番管理にしか使っておらず、アラートを連携していなかったユーザーは、移行対象から除外しました。
移行は必ずしも順調に進んだわけではありませんが、PintuはGrafana Labsのサポートチームと緊密に連携し、一つひとつ課題を解決しました。Grafana Cloudの柔軟性を生かし、機密性の高い金銭関連のアラートを、公開Slackチャンネルではなく非公開チャンネルに送る独自の仕組みも構築。Pintuが求める機密情報の取り扱い要件に合わせた運用を実現しました。
移行の結果、全チームのオンコール担当者を一つの専用ページで確認し、Grafana IRMからワンクリックで適切な担当者を呼び出せるようになりました。Datadogなどのツールからの監視データも、従来のサービスを経由せず、Grafana IRMに直接送る構成に切り替えました。また、Grafana Cloudのロールベースのアクセス制御(RBAC)によって、オンコールエンジニアは他の誰かに変更を依頼することなく、自分でスケジュール交代を行えるようになりました。
成果
Pintuは現在、インシデントレスポンスとオブザーバビリティのスタック全体をGrafana Cloudで運用しており、8つの独立したインスタンスではなく、1つのチームがアクセスとコストを管理しています。
- 大きなインシデントを発生させることなく、4か月で112名のユーザーをGrafana IRMへ移行
- インシデントレスポンスコストを約38%削減(ベンダーとインフラの統合による追加コスト削減も含む)
- 8つのセルフマネージドGrafanaインスタンスを1つのGrafana Cloudアカウントに統合
- インスタンスごとの個別管理から、ユーザーアクセス管理を一元化
- Grafana CloudのRBACにより、オンコールエンジニアがセルフサービスでスケジュール交代が可能に