Grafana 13 リリース:データ活用をより迅速に、大規模運用の管理をよりスマートに!

Grafana 13 リリース:データ活用をより迅速に、大規模運用の管理をよりスマートに!

2026-04-212 min
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「13」は不吉な数字だなんて、誰が言ったのでしょう?Grafana 13のリリースにより、私たちはコミュニティに対し、これまでで最も合理的かつ柔軟で、直感的なGrafana体験を提供します。

GrafanaCON 2026のオープニングキーノートで発表されたこの最新メジャーリリースは、ダッシュボードの迅速な立ち上げ、大規模なGrafana運用、そして要件の変化に応じたプラットフォームの拡張など、あらゆる場面で「データから価値を得るまでの時間」を短縮することに焦点を当てています。

バルセロナで開催されたGrafanaCONに参加できなかった方も、以下でGrafana 13のハイライトを確認いただけます。また、オンデマンド公開予定の「Grafana 13 ディープダイブ・セッション」もぜひチェックしてください。(今年最大のコミュニティイベントでの全発表内容は、GrafanaCON発表まとめブログでご覧いただけます。)

Grafana 13のアップデート全リストについては、公式ドキュメント新機能ガイド(What’s New)、およびチェンジログを参照してください。また、以下の「TL;DR(要約)」動画もぜひご覧ください。

Video

※注:4月16日以前にGrafana 13にアップグレードされた方は、ドキュメント内のGit Syncに関する重要な注意事項をご確認ください。

データから有益なインサイトをより迅速に引き出す

多くのチームにとっての課題は、メトリクスを収集することではなく、そのデータを必要に応じて「明確で実行可能なインサイト」に変換することです。価値あるデータが存在していても、それを有用なダッシュボードに落とし込むまでの道のりが長く、不透明なケースが多々あります。

そのためGrafana 13では、わずか数クリックで「真っ白なキャンバス」から「意味のある視覚化とインサイト」へと移行できるよう注力しました。具体的な機能は以下の通りです。

データの特性に合わせた「推奨ダッシュボード」

Grafanaの「推奨ダッシュボード(Suggested dashboards)」機能を使えば、特定のデータソースに合わせてあらかじめ構築されたダッシュボードにアクセスできます。Grafana 13では、これらのダッシュボードをより簡単に見つけ、評価し、利用できるよう大幅な改善を行いました。

お使いのデータソースに対応する既存のダッシュボードがある場合、Grafanaが自動的に推奨ダッシュボードを表示します(「Build a dashboard」ボタンの代わりに「From suggestions」オプションを選択できるようになります)。

A screenshot of drop-down menu called "Build a dashboard," showing two options: "From suggestions" or "Blank"

この機能では、Grafana Labsが公式にメンテナンスを行うサポート対象データソース用のダッシュボードや、コミュニティ製のダッシュボードがリスト化されて表示されます。組み込まれた検索機能を使って、特定のダッシュボードを素早く見つけることも可能です。

A screenshot showing 6 different suggested dashboards for a CloudWatch data source.

さらにPrometheusユーザー向けには、推奨ダッシュボードがお使いのデータソースにある実際のメトリクスとどの程度一致しているかを評価する一歩進んだ機能を提供します。各ダッシュボードには「互換性スコア」が割り当てられるため、実用化までにどの程度のカスタマイズが必要かを即座に把握できます。

A screenshot of a UI that displays various compatibility scores related to Node exporter, Prometheus metrics, and Grafana Cloud billing and usage.

推奨ダッシュボードは、Grafanaのすべてのエディションでパブリックプレビューとして利用可能です。詳細はドキュメントをご覧ください。

データを表現する「よりスマートな方法」を発見する

「可視化の推奨(Visualization suggestions)」機能は、さまざまなパネルを比較し、ユースケースやエンドユーザーにとって最適なデータの見せ方を特定するのに役立ちます。

Grafana 13では、可視化タイプの推奨ロジックを洗練させました。単にパネル内のクエリ結果に基づいて判断するだけでなく、データソースのメタデータ(データプレーン内のデータフレーム型など)を活用することで、そのデータに最も適した可視化タイプを提案します。

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さらに便利な点として、この機能で可視化をプレビューする際、選択を確定する前にパネルエディター上でフルサイズのプレビューを確認できるようになりました。

可視化の推奨機能は、Grafanaのすべてのエディションで一般提供(GA)が開始されています。

クエリ作成の繰り返し作業を削減

クエリの作成はGrafanaの最も強力な機能の一つですが、同時に最も手のかかる作業でもあります。「保存済みクエリ(Saved queries)」を活用することで、チーム内でのクエリの保存、共有、再利用が可能になります。これにより、重複作業を減らし、新しいメンバーのオンボーディングを迅速化し、全員が実証済みのベストプラクティスに基づいて構築できるようになります。

主なアップデートは以下の通りです。

新しいインターフェースとフィルタリング体験の向上

保存済みクエリのインターフェースを刷新しました。新しいダイアログボックス、整理されたレイアウト、そして設定を記憶する永続的なフィルターにより、クエリの検索と管理がより簡単になりました。

A screenshot of the Saved queries UI with various options, including billing and usage, test query, and more.

パネル作成の高速化

保存済みクエリから直接パネルを作成できるようになりました。パネル編集モードに入ることなく、Grafanaが推奨の可視化タイプでパネルを自動生成します。これにより、クエリからダッシュボード作成までのスピードがさらに上がります。

A GIF showing the process for creating a panel from a saved query.

変数利用の柔軟性が向上

保存済みクエリを呼び出す際、元のクエリを書き換えることなく、その場で変数の中身を自由に指定できるようになりました。これにより、環境ごとに変数の設定が異なるダッシュボード間でも、同じクエリをスムーズに使い回すことができます。

※これらの新機能は、Grafana CloudおよびGrafana Enterpriseでパブリックプレビューとして提供されています。詳細はドキュメントをご覧ください。

複雑なクエリをより速く構築

クエリ・エディターのデザインを刷新し、複雑なパネルの構築と管理をより容易にしました。クエリ、数式(Expressions)、変換(Transformations)、アラートを含むデータパイプライン全体を一画面で把握でき、主要な設定へのアクセスやフィードバックも高速化されています。

A screenshot of a UI showing the new query editor experience, with a line chart at the top and a query editor at the bottom.

アップデート内容:

  • 効率化されたパイプライン管理: 新しいサイドバーには、クエリ、数式、変換が色分けされたカードとして表示され、状態を示すインジケーター(エラー、非表示、無効)で一目で状況を把握できます。
  • クエリごとのデータソース選択: 各クエリに個別のデータソース・ピッカーが配置され、マルチソースのパネル構築がより直感的になりました。
  • インラインでのアラート可視化: 専用の「アラート(Alerts)」タブで、パネルに関連付けられたすべてのアラート情報を表示。ステータスの状態が色分けされるため、アラートの健全性を即座に評価できます。
  • クエリ・オプションへのアクセス改善: フッター部分に、最大データポイント数や時間のオーバーライドといったパネルレベルの主要オプションを表示。デフォルト設定からの変更点もインラインで強調されます。

※刷新されたクエリ・エディターは、Grafanaの全エディションでプライベートプレビューとして利用可能です。

AIでダッシュボード構築やデータ分析を加速

GrafanaCON 2026のオープニングキーノートで発表された大きなニュースです。Grafana OSSおよびGrafana Enterpriseのユーザーも、Grafana CloudのAI活用型エージェントであるGrafana Assistantにアクセスできるようになりました。Grafana Assistantを活用すれば、推奨ダッシュボードテンプレートのカスタマイズ、SQL式の効率化など、多くの作業をAIが強力にサポートします。

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詳細はブログ記事「Assistant everywhere」をご覧ください。

新しく進化したデータ可視化

Grafanaのリリースにおいて、新しいデータの見せ方は欠かせません。Grafana 13における可視化のハイライトを紹介します。

ゲージパネルの刷新

アップデートされたゲージパネル(Gauge panel)が、Grafanaの全エディションで一般提供(GA)されました。ニーズに合わせて、より多彩なデータ表現オプションを提供します。

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詳細はドキュメントをご確認ください。

動的なワークフローを可視化するGraphvizパネル

新しいGraphvizパネルプラグインを使用すると、Graphviz DOT言語で定義された図を、あらゆるデータソースからのライブデータと紐づけてレンダリングできます。

メトリクスを、サービスの構成図やインフラの依存関係、ビジネスの業務フローに直接重ね合わせて表示できます。「数値」だけでなく「要素同士のつながり」が重要な場面で、状況をより多角的に把握できるようになります。これにより、プロセスやフローのどの時点で問題が発生しているかを把握し、迅速に行動できるようになります。

A diagram showing the architecture for the new Graphviz panel plugin.

「パネルスタイル」で設定を高速化

個別のオプションを一つずつ手動で調整しなくても、「パネルスタイル(Panel styles)」を適用することでパネルを素早くアップデートできるようになりました。

色、しきい値、表示オプションなど、厳選された設定セットが用意されており、ワンクリックで洗練された視覚化を完成させることができます。

A screenshot of a UI showing colorful charts and multiple options for different panel styles.

現在、時系列、ゲージ、バーゲージ、Stat、棒グラフでサポートされており、全エディションでパブリックプレビューとして提供されています。

パネルスタイルのコピー&ペースト

これまでのGrafanaでは、パネルのデザインを統一するために、各パネルを個別に編集するか、既存パネルを複製してからクエリを書き換えるといった、多くの手作業が必要でした。

新しい「コピー&ペースト」機能を使えば、あるパネルのスタイルをコピーして、わずか数クリックで別のパネルに適用できます。

A GIF showing how the new copy and paste feature works for panel styles.

この機能は主要なパネル(Core panels)で利用可能で、同じ種類のパネル間(例:StatパネルからStatパネル、ゲージからゲージ)でスタイルをコピーできます。現在、Grafanaの全エディションで実験的機能として提供されており、panelStyleActionsの機能フラグ(feature toggle)を有効にすることで利用可能です。

「動的ダッシュボード」でデータを自在に操る

可視化の種類が増え、接続するデータソースが多様化するにつれ、ダッシュボードは瞬く間に巨大かつ複雑になります。その結果、レイアウトが乱れたり、空のパネルが表示されたり、過度なスクロールが必要になったりと、ナビゲーションやメンテナンスが困難になることがあります。

そこで登場したのが「動的ダッシュボード(Dynamic dashboards)」です。これは、成長を続けるチームを支える、より直感的でレスポンシブ、かつスケーラブルなダッシュボード体験を提供します。

G2A.COMのソフトウェアエンジニア、Dawid Dębowski氏は次のように述べています。「動的ダッシュボードによって、もはや限界は存在しないと感じています。変数やクエリに基づいて不要な部分を非表示にすることで、ダッシュボードを完全に動的なものにできます。また、素晴らしい『タブ機能』のおかげで、情報をより適切に整理できるようになりました。可能性は無限大です」

動的ダッシュボードは、現在すべてのGrafana Cloudユーザーおよびセルフマネージド版Grafanaインスタンスでデフォルトで有効になっています。新規および既存のすべてのダッシュボードにおいて、新しいレイアウトエンジン、編集体験、ダッシュボード構造が自動的に適用されます。既存のダッシュボードは、開いた際に新しいスキーマ(詳細は後述)へ自動的に移行されるため、手動のステップは不要です。

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今年初めのパブリックプレビュー以降、特に編集体験の洗練に注力してきました。主なアップデートは以下の通りです。

  • 新しいダッシュボード作成ページ: デフォルトのレイアウトセレクターを備え、最初から最適なレイアウトで開始できます。
  • サイドバーでの変数とアノテーション管理: ドラッグ&ドロップによる並べ替え、インライン編集、アノテーションの色分け表示が可能になりました。
  • ドラッグ&ドロップによるパネル作成: サイドバーからキャンバス上に直接パネルを作成・配置できます。
  • 最大3段階のネスト(階層化): 「行(Row)の中にタブ、さらにその中に行」といった、より深い階層構造が可能になります。
  • サイドバーの新しい「追加(Add)モード」: パネルの貼り付けがよりスムーズになります。
  • 編集時と閲覧時で切り替わるサイドバー: 編集モードでは固定(Docked)、閲覧モードではフロート(浮遊)表示に。編集時には操作しやすく、閲覧時には表示エリアを最大化できます。この設定は各モードごとに記憶されます。

プロビジョニングされたダッシュボードへの影響:新しいスキーマ(v2)への移行

動的ダッシュボードでは、新しいダッシュボードスキーマ(v2)が採用されています。コード(API、Terraform、Git Sync)でプロビジョニングされたダッシュボードも引き続き動作します。v1スキーマのダッシュボードは、読み込み時に自動的にv2へ移行されます。

V2スキーマとプロビジョニングの詳細については、ダッシュボードスキーマのドキュメントを参照してください。

動的ダッシュボードの詳細については、動的ダッシュボードのドキュメントを参照してください。

大規模なGrafana運用を支える

Grafana 13は、大規模な環境での設定とメンテナンスをより容易にします。目標はシンプルです。管理者が「火消し」に追われる時間を減らし、組織の能力向上(イネーブルメント)に専念できるようにすること。安全な変更、運用リスクの低減、そして複数チームや環境をまたぐGrafana運用のサポートを強化します。

「Git Sync」の最新アップデート:オブザーバビリティ・アズ・コード

Grafanaインスタンスが拡大すると、UI経由で数十、数百のダッシュボードを管理するのは限界に達します。変更履歴は不透明になり、ダッシュボードは乱増し、一貫性が失われてしまいます。

「Git Sync」は、ネイティブなGitOpsワークフローをGrafanaに導入することで、この課題を解決します。チームはダッシュボードのバージョン管理、プルリクエストの提出、承認フローの管理をシームレスに行えるようになります。

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Git SyncはGrafanaの全エディションで一般提供(GA)が開始されました。GitHubアプリ認証のほか、GitLab、BitBucket、標準のGitプロトコルのサポートなど、コードによるダッシュボード管理の柔軟性と制御を高める新機能が含まれています。

Git Syncの詳細については、こちらのドキュメントを参照してください。

「Grafana Advisor」でインスタンスの健全性を維持

Grafanaの全エディションで一般提供(GA)となった「Grafana Advisor」は、インスタンスをスムーズかつ安全に実行し続けるための強力な味方です。Grafanaサーバーの健全性チェックを定期的に自動実行し、最適なパフォーマンスを維持するための具体的なアドバイスや推奨事項を提示します。

管理者はAdvisorを使用して、以下のような問題を早期に発見できます。

  • ヘルスチェックに失敗しているデータソース: クエリ失敗の原因を未然に防ぎます。
  • 古いプラグイン: セキュリティリスクや、最新の修正・機能の欠如を特定します。
  • SSO(シングルサインオン)の設定ミス

さらにAdvisorはGrafana Assistantとも連携。AIのガイダンスを受けながら、特定された問題を迅速に修正することが可能です。

詳細については、こちらのドキュメントを参照してください。

オープンなエコシステムでGrafanaを拡張する

Grafanaが掲げる「ビッグテント(Big Tent)」哲学に基づき、データがどこにあっても、それを自在にクエリし、可視化できるべきだと私たちは信じています。その実現のため、Grafanaのデータソース・ラインナップの拡充と強化に継続的に取り組んでいます。

新しいEnterpriseデータソース:IBM DB2

多くの組織において、IBM DB2は最も重要なシステムを支えるデータベースとして君臨しています。今回のアップデートにより、DB2のデータをGrafanaに直接取り込み、他のテレメトリデータと並べて視覚化できるようになりました。

新しいIBM DB2 Enterpriseデータソース(パブリックプレビュー)を使用すると、DB2データベースに接続し、Grafana CloudまたはGrafana Enterprise内で直接SQLクエリを実行できます。

主な機能:

  • 高度なクエリ・エディター: 構文ハイライト(シンタックスハイライト)を備えたエディターでSQLクエリを記述します。
  • 柔軟なフォーマット: 「テーブル形式」でデータの詳細を確認したり、「時系列形式」でトレンドをグラフ化したりと、目的に合わせた表示が可能です。
  • テンプレート変数: 変数を使用して、動的で再利用可能なダッシュボードを作成します。
  • アノテーションの表示: グラフ上にイベントやマイルストーンをマークします。
  • DB2クエリからのアラート: クエリ結果に基づき、Grafanaで直接アラートを飛ばすことが可能です。

ビジネス記録の分析から運用のパフォーマンス追跡まで、DB2データの探索と可視化を完全にコントロールできます。なお、IBM DB2は、最近ラインナップに加わったSolarWindsJenkinsと並ぶ最新のEnterpriseデータソースの一つです。

「Grafana Marketplace」の誕生

GrafanaCON 2026で併せて発表されたGrafana Marketplaceは、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)、システムインテグレーター(SI)、およびコミュニティのデベロッパーが、独自に開発したGrafanaプラグインを販売・配布できる新しいプラットフォームです。

現在、マーケットプレイスはパイロットフェーズにあります。参加方法などの詳細は、マーケットプレイスに関するブログ記事をご覧ください。

Grafana 13の詳細情報

Grafanaのすべての新機能に関する詳細なリストについては、公式ドキュメントチェンジログ、または新機能ガイド(What’s New)をご確認ください。

Grafana Labsコミュニティに参加しましょう

Grafana Labsのコミュニティフォーラムへぜひご参加ください。新機能の体験談の共有、ベストプラクティスの議論、あるいはこれらのアップデートをワークフローに組み込むクリエイティブな方法の探索など、皆様のインサイトやユースケースは、Grafanaエコシステムを豊かにするために不可欠な宝物です。

Grafana 13へのアップグレード

今すぐGrafana 13をダウンロードするか、Grafana Cloudにサインアップして最新機能を体験してください。Grafana Cloudでは、「本当に使える」ずっと無料プランに加え、あらゆるユースケースに対応したプランを用意しています。

旧バージョンからの移行を検討されている方のために、スムーズな遷移をサポートするステップ・バイ・ステップのアップグレードガイドも用意しています。

コミュニティの皆様へ、特別な感謝を込めて

最後に、Grafanaコミュニティの皆様に心からの感謝を捧げます!

プルリクエストから貴重なフィードバックに至るまで、皆様の貢献こそがGrafanaを絶えず進化させる原動力です。皆様の熱意と献身が、私たちGrafana Labsが革新を続け、プラットフォームを高め続けるインスピレーションとなっています。

本リリースおよびGrafanaCON 2026でのその他の刺激的なアップデートについては、発表まとめブログをご覧ください。

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